大平一枝『もう、ビニール傘は買わない』
ここは山だ、何も買えない と思おう。
ただ単に節約本かと思って手に取ったが、ちょっと面白い表現がたくさんちりばめられていて、得をした感じがした。
「木こりになったつもりで水筒を持とう」もそれ。
ジャムは季節の終わりに作ろうとか、おやつは自分で作ろうとかの記述に交じって急に「ここは山だ」と言われると、あー、山ね!そうだよね、買えないね!と心が盛り上がる。
きちんと準備をしよう、という記述はありきたりだが、「ここは山だ」と言われると、すんなり心に入ってくる。
普段節約本はちょっとね、の人も、表現のバリエーションを勉強するつもりで読むとちょっと面白い発見がある。
ちなみに私は、まだいろいろな余計な買い物をしがちである。この本の内容は面白かったけれどまだ体に沁みていなくて残念である。
途中から表現の面白さにフォーカスしすぎたためかもしれない。