岡田尊司『アスペルガー症候群』

諸説の多いアスペルガー症候群を、素人にもわかりやすくまとめた本。 この本は指導のポイントを知りたいために読んだのだが、ポイントがまとまっていてとても勉強になった。 お気に入りのことは苦手のあとに 良くない行動をしなかったときに褒める(しなかっ…

加藤昌治『考具』

拡げて絞って、組み合わせる。 新企画を出すときに、仕事でいつも参考にさせていただいている。 特におすすめの技法がカラーバス。今日は赤だ!と決めて生活したり、外出したりすると今まで目に入らなかったものがどんどん目に入るようになる。 恥ずかしなが…

大平一枝『もう、ビニール傘は買わない』

ここは山だ、何も買えない と思おう。 ただ単に節約本かと思って手に取ったが、ちょっと面白い表現がたくさんちりばめられていて、得をした感じがした。 「木こりになったつもりで水筒を持とう」もそれ。 ジャムは季節の終わりに作ろうとか、おやつは自分で…

たけながかずこ『もっと子どもとうまくいく!働くお母さんの習慣術』

「ばっかり食べ」は大人だっていけない。 ここでいう「ばっかり食べ」は、「仕事ばっかり」「家事・育児ばっかり」という状態のこと。子どもと仕事、趣味などのライフワークをどれもゼロにならないように調整していくのが良い、という。 育児がゼロになれば…

原田俊治『馬、この愛すべき動物のすべて』

馬は人間と生死を共にする唯一の家畜である 家畜化されても野生時代の繁殖シーズンに変化はないという野生を持ち続けていながら、人馬一体となって戦地に赴き、人とともに戦い人とともに死ぬ、という家畜。 他に類を見ない家畜のかたち。 それなのにたとえば…

デヴィッド・フィッシャー『スエズ運河を消せ』

大好きな本だ。 誰が何と言っても、稀代の名作だと思う。 名作なのは本そのものではなく、この内容だ。 「戦場のマジシャン」と呼ばれた男がいた。 戦争に勝つ方法はたくさんあるが、ジャスパーという男はこんな方法で戦争に「勝たせた」。 攻撃の方向を変え…

小林照幸『検疫官』

コロナが騒がれている今読むと、コロナというのは本当にバイオテロに近いものだと感じる。 生物兵器開発の10の条件 この本には生物兵器開発の10の条件が書いてある。 明らかな発病性があること。 罹患率が高く、適切な治療をしない場合に死亡率が高いこと。 …

長谷川英祐『働かないアリに意義がある』

有名な話で、「働きアリにも2割は働かないアリがいる」という話がある。 アリのように繁殖を専門にする個体と労働を専門にする個体からなり、コロニーと呼ばれる集団をつくる生物を「真社会的生物」という。 そういう生物が大好きな人に読んでもらいたい本。…

マーク・ブキャナン『複雑な世界、単純な法則』

オットセイを間引けばメルルーサは増えるか? オットセイが減れば、オットセイが食べているメルルーサは増えるのか、ということを計算してみると、その因果の道筋は実に2億2500万通りを超えるらしい。 その因果の道筋がドミノ倒しのようになったのが地質時代…

共著『鳥たちのふしぎ・不思議』(加藤幸子、島田璃里、浜田剛爾、樋口広芳)

特徴的な生態を持つ鳥として有名なのはカッコウだと思うが、この本では基本的な鳥の知識から、かなり示唆的な鳥の生態まで読むことができる。 たとえば、 群れになる小鳥はだいたい種子食。単独でいる小鳥はだいたい昆虫食。 これは人間にも共通しているので…

レナード・ムロディナウ『たまたま』

5番目にnが来る6文字の英単語と、ingで終わる6文字の英単語では、どちらの数が多いと思うだろうか? これは「可用性バイアス」の考え方を説明するときに使われている例。 答えは同じなのに、私たちは「ingで終わる6文字の英単語」のほうが多いと感じがち。 …

目次

理系本 ー数学 レナード・ムロディナウ『たまたま』 マーク・ブキャナン『複雑な世界、単純な法則』 ー生物 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』 原田俊治『馬、この愛すべき動物のすべて』 共著『鳥たちのふしぎ・不思議』(加藤幸子、島田璃里、浜田剛…

酒井順子『駆け込み、セーフ?』

「死んでもネクタイ外しません」の章 その大事なネクタイを「外しましょう」と政府が言う背景には、「ネクタイ的なものって、もう信用できないですよね」という時代の空気があるような気もするわけで… そんなクールビズも定番になった。が、「ネクタイ的なも…